【体験談】婚姻費用の強制執行をやってみた|差押えの手順・必要書類・かかった期間

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こんにちは、ろびんです。

この記事は、婚姻費用の審判が確定したあと、それでも払ってくれなかった夫の給料・口座を差し押さえた「強制執行」の全記録です。

審判で「毎月〇万円払え」と裁判官に決めてもらったのに、何ヶ月経っても振り込みがない。

「裁判所が決めたのに、払わないなんてことが許されるの?」

……許されるんです。残念ながら。審判の決定は「払いなさい」という命令ですが、自動的にお金が取れるわけではありません。払わない相手から取るには、自分で「強制執行」の申立てをする必要があります。

ここまで来たら、もう諦めたくなかった。子どもたちのために、最後までやり切りました。

👉 調停〜審判〜強制執行の全体の流れ:【体験談】弁護士なしで婚姻費用調停→審判→強制執行まで自力でやり切った話|1年1ヶ月の全記録


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強制執行とは?

強制執行とは、確定した審判書(または調停調書)を「債務名義」として、裁判所の力を借りて相手の財産を差し押さえる手続きのことです。

差し押さえられる主な対象は:

  • 給料(給与差押え):手取りの1/2まで差押え可能。毎月継続して取れる。
  • 銀行口座(預貯金差押え):口座残高を差し押さえる。

婚姻費用の場合、給与差押えが一般的です。将来の分もまとめて申立てられるため、毎月申立てし直す必要がありません。

✏️ 体験メモ
審判が確定した後、一度も支払いがありませんでした。まず「履行勧告」という手続きで裁判所から支払いを促してもらいましたが、それでも支払いなし。その間も生活費はギリギリで、メインのバイト以外に2つほど掛け持ちして何とかしのいでいた時期もありました。「もういい加減にしてくれ」という気持ちで、強制執行を決意しました。

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強制執行の手順:ステップごとに解説

STEP 1:必要書類を準備する

まず、以下の書類を揃えます。

書類名 取得先・補足
強制執行申立書 裁判所のホームページからダウンロード可。自分で記入。
審判書(正本) 審判書が届いたときの書類。なければ裁判所で再交付申請。
送達証明書 審判書が相手に届いたことを証明する書類。審判をした家庭裁判所に申請(150円程度)。
確定証明書 審判が確定したことを証明する書類。審判をした家庭裁判所に申請(150円程度)。
収入印紙 申立て手数料。給与差押えの場合は4,000円分。
郵便切手 裁判所が指定する金額分(目安3,000円程度)。
✏️ 体験メモ
意外と大変なのが、収入印紙や郵便切手の購入。
切手はコンビニでも販売されていますが、500円切手など普段は使用されない金額の切手が必要になるため、郵便局で購入しなければなりませんでした。
そのために何度も郵便局に通うことになります。
裁判所が近い場合は、裁判所内で購入できることも多いので、裁判所で購入してそのまま納付するのがおすすめです。

STEP 2:相手の勤務先(または銀行口座)を特定する

給与差押えには、相手の勤務先(会社名と住所)が必要です。

預金差押えには、相手の銀行名と支店名が必要です。

勤務先が不明な場合は、「財産開示手続」や「第三者からの情報取得手続」という制度を利用して調べることもできます(別記事で解説予定)。

✏️ 体験メモ
私の場合は、夫の勤務先がはっきりとわかっていたので、このあたりは苦労することはありませんでした。
転職を繰り返していたり、個人事業主だと手続きはさらに難しくなります。

STEP 3:地方裁判所に申立てする

書類が揃ったら、相手(夫)の住所を管轄する地方裁判所に申立てに行きます(家庭裁判所ではなく地方裁判所です!)。

窓口で書類を提出し、収入印紙と郵便切手を納めます。

⚠️ ポイント:婚姻費用の調停・審判は家庭裁判所ですが、強制執行は地方裁判所です。間違えないよう注意。
✏️ 体験メモ
私の管轄の地方裁判所と家庭裁判所が隣だったので、必要書類や手続きは往復しながら進めていきました。
その地区によって違うのかどうかわかりませんが、家庭裁判所からもらう書類や確認事項などがあるので、近くにあるとスムーズに進めることができます。

STEP 4:差押命令が発令される

裁判所が申立て内容を審査し、問題がなければ差押命令を発令します。申立てから1〜2週間程度で発令されることが多いです。

差押命令は、まず相手の勤務先(第三債務者)に送達され、その後相手(夫)に送達されます。

✏️ 体験メモ
やっとこれで振り込まれる・・・
安心感もありましたが、ここまでしなければもらえない。
もらえない側がこんなに苦労するのはなんでなんだろうという気持ちもありました。

STEP 5:取立権の発生(1週間後)

差押命令が夫(債務者)に送達されてから1週間後、申立人(あなた)に「取立権」が生まれます。

取立権とは、勤務先(会社)に直接「差し押さえた給料を払ってください」と請求できる権利です。

STEP 6:勤務先から直接取り立てる

取立権が発生したら、相手の勤務先に連絡を取り、支払いを求めます。実際には、勤務先(会社の経理)が毎月の給与から差し引いて振り込んでくれることが多いです。

受け取ったら、その都度「取立届」を裁判所に提出する必要があります。


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もし他にも差押えをしている債権者がいたら?:競合と配当手続き

給与差押えをしたとき、実はほかにも差し押さえをしている債権者がいた——そういうケースがあります。

私がまさにそれでした。差押えをしてみたら、すでに別の債権者も同じ給与を差し押さえていて、「競合」という状態になり、分配を受けることになりました。

✏️ 体験メモ
やっともらえる!と思った矢先の出来事でした。
ここまできてまだもらえないの・・・
と、絶望したことを覚えています。

そもそも「競合」って何?

同じ人の同じ給与に対して、複数の差押命令が出ている状態のことです。

夫の給与に対して、私が差押えをしようとしたとき、すでに別の債権者が同じ給与を差し押さえていた、という状況です。

給与は手取りの1/2までしか差し押さえられないので、複数の差押えが競合すると、一人では全額取れなくなります。

競合が起きると:第三債務者(会社)は「供託」する

差押えが競合すると、夫の勤務先(第三債務者)は「誰にどれだけ払えばいいかわからない」状態になります。

その場合、会社は給与差押え分のお金を法務局(供託所)に預ける手続きをします。これを「執行供託」といいます。競合が起きた場合、会社には供託の義務があります。

会社から直接お金を受け取るのではなく、裁判所が配当表を作って分配してくれる流れになります。

競合したときの流れ(配当手続き)

  1. 会社が法務局に供託(差し押さえ分のお金を預ける)
  2. 裁判所が配当期日を設定し、各債権者に通知
  3. 各債権者が「債権計算書」を裁判所に提出(元本+利息+損害金の合計を計算して提出)
  4. 裁判所が配当表を作成(誰にいくら払うかを決める)
  5. 配当期日(異議があれば申立てができる)
  6. 各債権者へ按分配当
  7. 法務局で手続きし銀行振込などで受け取り
⚠️ 重要:税金(国税・地方税)が最優先
夫が税金を滞納していた場合、税務署・役所の債権が一般の債権者より優先されます。税金が先に引かれてから、残りが一般債権者で按分されます。

婚姻費用は有利!「1/2 vs 1/4」のルール

実は、婚姻費用・養育費の差押えには一般の差押えより有利な特例があります(民事執行法152条3項)。

債権の種類 給与の差押え上限
婚姻費用・養育費 手取りの 1/2 まで
一般債権(消費者金融・カードローン等) 手取りの 1/4 まで

つまり、消費者金融との競合では差押え範囲が重ならない部分が生まれます。

では競合したらどうなるの?

夫の手取り給与を20万円で例えると——

具体例(手取り20万円の場合)

・消費者金融が差押えできる上限:5万円(1/4)
・婚姻費用債権者が差押えできる上限:10万円(1/2)

「競合ゾーン(1/4部分)」= 5万円
→ ここは婚姻費用債権者と消費者金融が債権額に応じて按分

「婚姻費用専用ゾーン(1/4超〜1/2の部分)」= 5万円
→ ここは婚姻費用債権者が独り占めできる(消費者金融は手が届かない)

つまり消費者金融との競合の場合、最低でも「手取りの1/4 + 競合ゾーンの按分分」は受け取れます。一般の差押えより条件が良いのです。

ポイント:競合相手が消費者金融・カードローンなどの一般債権者なら、婚姻費用債権者のほうが差押え範囲が広い分、有利です。ただし、競合ゾーンの按分次第では受け取り額が想定より減ることもあります。
✏️ 体験メモ
申し立ててからの分(未払い分)+毎月の支払額という形でこれまで受け取ってきています。
毎月の支払い分を下回って受け取ったことはありませんが、未払い分はボーナス月など差し押さえ額が多いときにまとめて入るという形が多いです。
現在は未払い分はほぼなく、毎月決まった額を受け取っています。
📌 競合が起きたら弁護士に相談することも選択肢
競合・配当手続きになると、「債権計算書」の作成や配当期日への対応が必要になります。手続きが複雑になるため、状況によっては弁護士や司法書士への相談も検討してみてください。

強制執行にかかった期間・費用

費用の目安:

  • 収入印紙:4,000円
  • 郵便切手:約3,000円
  • 送達証明書・確定証明書:各150円程度
  • 合計:7,000〜8,000円程度

期間の目安:申立てから差押命令発令まで1〜2週間。その後、取立権発生まで1週間。初回の入金まで1ヶ月程度見ておくと安心です。

✏️ 体験メモ
期間的にはそこまで長くないのでしょうが、未払いが続いていてさらに延長になってしまったので、精神的に長く感じて辛かったです。

弁護士なしで強制執行をやってみて思ったこと

強制執行は、調停・審判と比べてもハードルが高かったです。

「地方裁判所」「差押命令」「取立届」——聞き慣れない言葉だらけで、最初は何から手をつければいいかわからなかった。

でも、一つ一つ調べて、書類を揃えて、窓口に行って。それを繰り返すだけでした。

弁護士なしでもできました。費用も合計1万円以下でした。

✏️ 体験メモ
この期間、バイトを3つ掛け持ちしたり、体力の限界を感じることもありました。でも、結婚していた頃のあの重苦しい空気の中で生活するよりずっと気持ちが楽でした。子どもたちも、険悪な空気の中より、今のほうが生き生きしている気がします。 諦めなければ前に進めます。弁護士なしでも、お金をかけずに取り戻せます。同じ状況の方に伝えたいのは、「一つ一つ、ただやるだけ」ということです。

まとめ:諦めなければ、法律は味方になってくれる

婚姻費用を払ってもらえない状況は、本当につらい。生活を守るための戦いだから、精神的にも消耗します。

でも、法律のステップを一つずつ踏んでいけば、ちゃんと取り戻せます。

👉 全体の流れはこちらからも確認できます:【体験談】弁護士なしで婚姻費用調停→審判→強制執行まで自力でやり切った話|1年1ヶ月の全記録


養育費・婚姻費用を確実に受け取りたい方へ——
強制執行の手続きは大変。そんな苦労をせずに保証してもらえるサービスも選択肢のひとつです。


📝 免責事項
この記事は私・ろびん個人の体験をもとにした情報提供です。法的なアドバイスではありません。個々の状況によって手続きや結果は異なります。具体的な手続きについては専門家にご相談ください。

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